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自分の書きたいことを好きに書かせていただく自己満足ブログです。日常生活のことや社会のことをざっくばらんに書いています。

大学院と非正規雇用 アカデミアはどうなるの?

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みなさん、こんにちは。

タングステンです。

 

私にはかねてより悩んでいることがあります。それは、"就職"するか、"進学"するかです。2018年1月現在、大学3年の私は大学3年になった頃からずっとこの悩みをもっています。

 

悩んでいるなかで、私は『高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院』(2007)、『ホームレス博士 派遣村ブラック企業化する大学院』(2010)の2冊の本に出会いました。この2冊は、共に水月昭道さんが執筆されており、どちらも光文社新書から出版されています。

 

上記の2冊を読み進めてゆくうちに、大学院や学問についていろいろと思うことがありました。今回はそれらの思ったことについて書いてゆきます。

 

2冊を読んだ感想

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今回取り上げる『高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院』(以下、『高学歴ワーキングプア』)『ホームレス博士 派遣村ブラック企業化する大学院』(以下、『ホームレス博士』)の2冊は、私が就職するか、進学するかを悩むなかで偶然に出会った本です。

 

2冊を読み進めてゆくなかで、大学院の現状や博士号取得者に待ち受ける悲惨な状況の一端を垣間見ました。それこそ、就職するか進学するかで悩んでいる私が、大きく就職に傾くほどにはキツイものがありました。

 

これだけをみると、大学院に進学することは地獄に足を踏み入れることと同義のように思われるかもしれません。上記の2冊を読んだ私もそのように思いました。

 

大学院に進学すると就職しにくくなるってホント?

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巷ではよく「大学院に進学すると就職活動で不利になるよ」という話がささやかれていますね。果たして本当なのでしょうか。

 

2冊が出版されたのがそれぞれ2007年、2010年とすこし前なので、2018年の状況に則していると言えるかはわからないですが、2冊にも就職のことについて書かれていました。

 

大学院進学と就職活動の関係ですが、端的に言うと「不利になることがないわけではない」ようです。「なることがないわけではない」という言葉の通り、必ず不利になるのではありません。

 

どうして大学院に進学することが就職活動で不利に働くことがあるのでしょうか。

 

『ホームレス博士』の第一部にある見出しに「ストレートの院卒より二留の学部新卒」というものがあります。「どういうことだ?」と思われる方もいるでしょうが、現代社会にはこうした現実があるようです。

 

どうにも、企業、特に一部上場企業というやつは「学部新卒」を過度に優遇するきらいがあり、大学院進学者や就職浪人を採用することを避けようとする傾向があるらしいです。

 

不思議ですよね。「学部新卒」が神聖視される理由はなんなのでしょうか。「学部新卒」の何が企業にとって好ましいのでしょうか。

 

まあ、単純な話、企業が支払う給与が関係しています。「学部新卒」と大学院進学者とでは支払われる給与に差が生じます。大学での4年間に加えて、大学院でも学んだことで最終学歴が「大学院修了」になります。これによって、「大学卒業」よりも支給される給与が高くなります。

 

企業側としては、一人一人に支払う給与をなるべく少なくしたいと考えるでしょう。まあ当然っちゃ当然ですね。ただ、なんとなくやりきれない感じがありますね。大学院に進学して専門的な知識を身につけた人が登用されないことが不思議でなりません。

 

大学で授業をしている教員の多くは「アルバイト先生」だって知ってる?

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現在、全国にはたくさんの大学があります。そして、それらの大学ではさまざまな授業が行なわれています。授業には少人数のゼミから大人数の講義、専門的な内容から教養を深める内容、教室で行なう座学から学外に出る実習などが行なわれています。

 

実は、それらの授業の半分以上がアルバイトの先生によって行なわれています。知っていましたか?大学が発行しているパンフレットや大学の公式HPには「ウチの大学で行なっている授業の〇%は非常勤講師が担当しています!」などとは書かれていませんが、存在しているんです。

 

私が通う大学にもかなり多くのアルバイト先生がいますし、私もアルバイト先生の授業をたくさん受講してきました。アルバイト先生はその正式な呼び名を「非常勤講師」といいます。

 

私の大学で授業を行なっている非常勤講師にその雇用形態について話を聞かせてもらったことがありますが、学生のアルバイトとなんら変わりませんでした。

 

さらに、『高学歴ワーキングプア』第4章にある見出し「教員間格差」によると、非常勤講師は雇用期間は任期つき、給与は授業1コマごとに発生、授業準備にかかる経費は個人負担、保険なし、といったなかなかにキツイ状況にあるそうです。

 

大学に通っている学生のなかには非常勤講師の存在を知らない人も少なくはありません。学生側から見れば、常勤だろうが非常勤だろうが「先生」には変わりありません。私も非常勤講師の存在を知るまでは、誰もかれもが「先生」でした。

 

現代社会は「学問」がやりにくい

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私は大学に入学して「学問」の楽しさに気づきました。私が大学で社会学を学んでいますが、残念なことに社会学が就職するにあたって活きる場面はそんなに多くはないと思います。

 

昨今の大学は「就職予備校」のような側面があり、就職に役立つ勉強をすることが大学の学びと化しているように思います。もちろん、資格取得やインターンシップ、就活準備などが悪いことだとは言いません。

 

ただ、それらに傾倒しすぎたために、大学の本分である「学問」がないがしろにされているように思います。

 

また、大学の「学問」に面白さを感じて、学部生ながらであってもそれを突きつめようとすると、周囲からは"変人"扱いされてしまいます。現代社会では、どんどん「学問」の重要度が下がっているように感じます。

 

このような現代において、「大学院に進学したい!」と言うことや大学院に進学するという選択をすることは、"変人"を通り越して"変態"かもしれません。私自身、「大学院進学を考えている」と言うと、身内から「えっ!なんでそんなことするの?」と言われました。

 

「学問」に興味をもち、大学院に進学したいと思っても、大学院進学者の現状を考えるとその選択は難しいと思ってしまいます。どうしてもその選択肢の将来性を考えてしまいます。

 

大学院に進学することで就職が不利になり、博士課程を取得しても不安定な生活。このような状況では「学問」をやりたいと思っても踏み出せません。

 

おわりに

今の日本において、大学院進学者は持て余されているような気がします。専門的な知識をもっているのに、その専門的な知識を活かすことができる場所は少ない。

 

現代の日本社会には、不思議なことがたくさんあります。昨今の就職活動もよくわからないですよね。「学部新卒」の神聖視、就活支援サイトの過度な煽り、学生に流れる大手志向、スーツに黒髪で量産化する就活生。どれもよくわかりません。

 

これらのよくわからない現象を深く考えることがアカデミアの大切な役割の一つではないかと私は思っています。

 

高学歴ワーキングプア』『ホームレス博士』の2冊を読んだことで、なんだかモヤモヤしましたが、こうしたモヤモヤをきちんと考えることが大切なんでしょうね。

 

いろいろと書いてよくわからない文章になってしまいました。今回はここまでにしましょう。

 

それでは('ω')ノ

 

P.S.

最後に今回取り上げた2冊のリンクを貼っておきます。

 

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

 
ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院 (光文社新書)

ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院 (光文社新書)