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「プレミアムフライデー」という幻想

こんにちは、私です。

 

先日の2月24日は新たに始まったことがありましたね。

そう、「プレミアムフライデー」です。皆さんはどのように過ごされましたか。

プレミアムな日になりましたか。それともいつも通りでしたか。

 

 

私はバイトをしていました(笑)

 

安倍首相は24日に座禅を組んだり、ミニコンサートや展覧会を楽しんだりしていたようです。安倍首相だけではなく他の閣僚たちも思い思いのプレミアムフライデーを過ごされていたようです。

首相をはじめとする閣僚たちがプレミアムフライデーを満喫している様子を知っているのは、新聞社等の各メディア、特にマスメディアがプレミアムフライデーを楽しんでいる様子を取り上げていたためです。以下に産経ニュースの記事を紹介しておきます。

www.sankei.com

 

このようにプレミアムフライデーを満喫している様子はマスメディアによって伝えられています。閣僚たちがわざわざ座禅をするなど普段はできないようなことに取り組んでいる様を見せているのは、プレミアムフライデーを世の中に浸透させるためでしょう。閣僚自らがプレミアムフライデーを過ごすモデルとなっているわけです。

しかし、閣僚たちの努力もむなしく世間のプレミアムフライデーへの評判はお世辞にも良いとは言い難いものとなっています。私自身もプレミアムフライデーに対して良い印象は持っていません。

現状、プレミアムフライデーは世の中に受け入れられてはいません。先程も述べましたが、私を良い印象を持っていません。ただ、私はプレミアムフライデーについて詳しくは知りません。知っていることと言えば、「月末の金曜日は15時に仕事を終わらせる」「早めに仕事を終わらせてできた時間を普段できないことに使うことを推奨している」「普段できないことをすることで生活を豊かにできる」といったことだけです。プレミアムフライデー導入までの流れや具体的にどのように生活が豊かになると考えられているのか、本当に15時に仕事を切り上げることができるのかなどについては分かっていません。私が無知であることを承知の上で言いますが、物事の表層のみを知っているだけですべてを理解した気になって批判するのはあまり良いことではないと思います。プレミアムフライデーを批判している人々の中にも実際にはあまり知らないけど批判しているという人も少なからずいるのではないかと思います。

それなので、今回は私がプレミアムフライデーについて勉強するついでに記事を書こうと思います。そして勉強をしたうえで私がプレミアムフライデーに対して思うことをサラッと書きたいと思います。

 

プレミアムフライデー」とは

まず、「プレミアムフライデー」とは何なのかを勉強していきましょう。知っている方も多くいると思いますが、お付き合いください。

 

1.「プレミアムフライデー」って何だ?

それでは基本的なところからいきましょう。私がどうこう言う前に、まずはプレミアムフライデー事務局が運営しているプレミアムフライデーの公式サイトを見てみましょう

premium-friday.go.jp

 

公式サイト内の「プレミアムフライデーとは」の内容を以下に引用しておきます。

月末金曜は、少し早めに仕事を終えて、ちょっと豊かな週末を楽しみませんか?

 

仕事を早めに切り上げて、普段できないことに挑戦したり、なかなか会えない友達や家族と話したり、明るい街を散歩してみたり、仲間とスポーツを楽しむのも気持ちいい。

夕方からゆっくり食事を楽しむのも、ちょっと遠くの街へ2.5日旅へ出かけるのも素敵。

 

さあ、日本中で、いろんな豊かさが始まります。

プレミアムフライデー、スタート。

あなたも、ちょっと豊かな、月末金曜を。

プレミアムフライデー(Premium Friday) 月末金曜、何しよう?

 

上記の文章はプレミアムフライデーの公式サイトに載っていたものと基本的には同じものです。「基本的に同じ」としているのは、フォントや改行は公式サイトのものとは異なっているからです。

何はともあれ、上記の引用内容は要するに、「月末金曜は仕事を早く切り上げて豊かな週末を楽しもう」ということでしょう。

 

2.「プレミアムフライデー」の意義

プレミアムフライデーの基本的なことが分かったので、次はプレミアムフライデーの意義について見ていきましょう。経済産業省のホームページの『プレミアムフライデーの実施方針・ロゴマークが決定しました』にプレミアムフライデーによって生まれる効果について記載されていました。こちらも以下に引用しておきます。

個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買い物や家族との外食、観光等)や、そのための時間を創出を促すことで、

(1)充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる

(2)地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる

(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなる

といった効果につなげていく取組です。

官民で連携し、全国的・継続的な取組となるよう、この取組を推進するための「プレミアムフライデー推進協議会」が設立されました。本日、第1回会合が開催され、実施方針・ロゴマーク等が決定しました。また、本取り組みを進めるに当たっては、働き方改革などライフスタイルの変革ともあわせて推進してまいります。

プレミアムフライデーの実施方針・ロゴマークが決定しました(METI/経済産業省)

  

経産省プレミアムフライデーの導入によって、(1)充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会になる、(2)地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながる、(3)(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなると考えているようです。

経産省が示している3つの効果を意義と捉えて、その意義について考えてみましょう。まず、1つ目の充実感・満足感を実感できる生活スタイルの変革への機会についてはプレミアムフライデーの導入によって月末金曜の午後に時間ができることで、その機会を得ることはできないことではないと思います。

2つ目の地域等のコミュニティ機能強化や一体感の醸成につながるについては難しいのではないかと思います。ここで言う「地域等のコミュニティ」が何を示しているのかが上記内容の引用元である経産省のホームページからは分かりませんでした。恐らく、家族や地域、友人、職場、学校といったコミュニティのことを示しているのではないかと思います。ただ、本当にこれらのコミュニティを示しているかどうかは分かりません。あくまでも私の推測です。

 

しかし、経産省が「地域等のコミュニティ」と明記していることから、「地域」というコミュニティの機能強化や一体化の醸成につなげたいと考えているのではないかと思います。とはいえ、月末の金曜日に時間ができただけで地域の機能が強化されたり、地域の一体化につながったりするとは考えにくいです。

昨今、地域のつながりの希薄化が問題視されていますが、地域の人々に地域のつながりの希薄化という問題を丸投げしたところで希薄化が解消されるとは思えません。現在の生活スタイルに地域の機能や地域の一体感が深く関わっているとも思えません。私自身、大学生として生活をしていますが地域の人々との関わりや地域の一体感は感じません。むしろ、地域との関わりは皆無です。地域の一体感どころか井戸端会議を見ることもほとんどありません。これは、私の住んでいる地域が全体的に高齢化していることも影響しているとは思いますが、高齢化している地域はプレミアムフライデーが実施されないということでもないでしょう。

地域等のコミュニティの機能強化や一体感の醸成についての具体的なビジョンがまったく示されておらず、理想だけが語られているように見えてなりません。

3つ目の(単なる安売りではなく)デフレ的傾向を変えていくきっかけとなるについてですが、これも理想論に見えてしまいます。

 

先にも紹介しているプレミアムフライデーの公式ホームページには、豊かな週末の楽しみ方の例がいくつも掲載されています。気になった方は以下のリンクから見てみてください。

プレミアムフライデー(Premium Friday) 月末金曜、何しよう?

 

「2.5日旅」「アーリーディナー」「午後ブラショッピング」「夕飲み」「アフタヌーン街歩き」「アフター3エンタメ」「午後パー」「早あがり」などの見慣れない言葉がずらりと並んでいました。言葉の横には楽しそうな笑顔を浮かべる人々の写真が使われています。これらの言葉はプレミアムフライデーを浸透させるために経産省経団連などのプレミアムフライデーに関わる人々によって作られたのでしょう。

私がこれらの言葉を見て思ったのは、「全国ネットのテレビ局が好きそうな言葉だなぁ」です。フジテレビの「めざましテレビ」や「バイキング」、日本テレビの「ZIP!」や「スッキリ!!」あたりが好んで使いそうだと思いました。特に、「めざましテレビ」と「バイキング」はこういった言葉が大好きなようなので、番組の特集として『大人の午後パー特集』『女子にオススメ!アフタヌーン街歩きにピッタリのカフェ特集』などが組まれることが容易に想像できます。もちろん、流行に敏感なのは悪いことではないですが、プレミアムフライデーの本質や意義について議論する場などを設けることも必要ではないかと思います。

ただ、議論の場とは言っても、とある番組の『徹底討論!』と銘打たれたコーナーのような議論の場は何の意味もないのでそういったものは遠慮していただきたいですね。そのコーナーにおける議論は議論とは名ばかりのひどいものになっています。一度、修行と思って見てもらえれば分かると思いますが、議論の進行役であるはずの司会がコメンテーターに対して恫喝あるいは恐喝とも受け取れるような口調を使っていたり、テレビ局に何かしらの悪影響が及ぶ可能性が高いと思われる議題に関する議論は早々に切り上げられたりしています。このような質の低い議論を繰り広げるくらいならやらないほうがいいです。

 

兎にも角にも、プレミアムフライデーの公式ホームページに並べられている言葉は見た目だけ美しいキレイごとに過ぎないと思います。

 

さらに、プレミアムフライデーがデフレ的傾向を変えていくきっかけになるとあります。「デフレ的傾向を変えていくきっかけ」が抽象的過ぎてイマイチ分かりにくく感じてしまいます。私の理解が足りないのでしょうか。

大方、豊かな月末金曜を過ごすために市民が消費行動をするから経済が活発になってデフレ的傾向脱却のきっかけになるとでも考えたのでしょう。そう考えていると私が推測する理由は、プレミアムフライデー公式ホームページに多くの企業のプレミアムフライデーへの取り組み(消費を促す側として)がいくつも掲載されているからです。市民の消費行動を活発にしたいという目論見が丸見えになっています。消費行動を促す側の官民連携はばっちり行われているようですね。

まあ、プレミアムフライデー公式ホームページに掲載されているお店の従業員の方々がプレミアムフライデー「2.5日旅」「アーリーディナー」「午後ブラショッピング」「夕飲み」「アフタヌーン街歩き」「アフター3エンタメ」「午後パー」「早あがり」によって充実感・満足感を実感できる生活を送れるのかどうかはプレミアムフライデー公式ホームページや経産省のホームページを見ても分かりませんでしたけれど。

 

兎にも角にも、経産省プレミアムフライデーを意義のあるものと考えているようです。

 

改めて「プレミアムフライデー」について思うこと

さて、ここまでプレミアムフライデーの基本事項について学んできました。十分学べているかは分かりませんが、私なりにプレミアムフライデーを知った上で言わせていただきます。

 

プレミアムフライデーは幻想です」

 

はい、タイトル回収させていただきました(笑) 冗談のように書いていますが、プレミアムフライデーについて調べたことによってよりプレミアムフライデーを無意味に感じるようになりました。

はじめにも述べていますが、私は2月24日の第一回プレミアムフライデーの日にアルバイトをしていました。私のアルバイト先は大型スーパーの中にあるカフェチェーン店です。その日は私の働いている店舗だけではなく、スーパーのそのものや各同友店も通常通り営業されていました。言ってしまえば、普段の金曜日でした。スーパー等の小売業やカフェ等の飲食業、いわゆるサービス業はプレミアムフライデーの対象外にされているのかと疑問に思うほど普段と何も変わらない金曜日でした。

その日は閉店時間(21:00)まで店頭での作業をしたのち、閉店後30分でレジ内点検や機械等の電源チェックをしました。その時間でもスーパーの従業員さんは普通に勤務していました。従業員の方々を見た感じ、充実感・満足感を実感しているようには見えませんでした。

このようにサービス業に務めている人々にとってプレミアムフライデーは無縁の存在と言っても過言ではないでしょう。サービス業のアルバイトをしている私としては人数の少ない平日にもかかわらず普段以上に忙しくなる可能性が上がるため迷惑でしかありません。

また、会社勤めのサラリーマンたちの多くもプレミアムフライデーの恩恵をこれと言って受けていないでしょう。これについてはハフィントンポストに面白い記事が載っていいたのでその記事を紹介しておきます。

www.huffingtonpost.jp

 

記事のタイトルを見れば分かりますが、プレミアムフライデーの盲点を突く素晴らしい指摘ですよね。経産省にとってはクリティカルヒットになっていると思います。

公務員ならプレミアムフライデーの恩恵を受けることができるという意見を多く見ますが、学校の教師や警察、消防、病院はどうでしょうか。学校の教師は文科省の決めたカリキュラムに沿って授業を行わなければいけないのでプレミアムフライデーだから帰るといったことはできないです。警察、消防、病院に関してはそもそも業務を停止できません。

また、各種インフラを支える人々はどうでしょうか。例えば、公共交通機関である電車やバスなどが月末金曜の15時以降は運行を停止できるでしょうか。無理でしょう。そもそも土日祝日だけでなく、盆や年末年始も運行をしている公共交通機関がプレミアムフライデーを導入できる道理がありません。

ここで提示したプレミアムフライデーの恩恵を受けることができない仕事の多くは土日祝日、盆、年末年始に休むことのできない仕事ばかりです。サラリーマンなら休めるでしょという意見もあるかもしれませんが、中小企業では、持ち帰り残業、サービス残業、休日出勤、有給申請の未受理、デスマーチなどが日常的に行われているでしょう。

このような状況でプレミアムフライデーを施行する経産省は労働者にケンカを売っていると捉えられても文句は言えないのではないかと思います。

 

こうした世の中で、プレミアムなフライデーを過ごせる人々はごく一部の限られた人になるでしょう。プレミアムフライデーに仕事を切り上げられないのにプレミアムなフライデーは過ごせません。

また、仕事を切り上げられたからと言ってプレミアムに過ごせるかと言ったら決してそうではありません。プレミアムフライデー公式ホームページを見る限り、お金がないとプレミアムには過ごせなさそうです。経済的に裕福ではない人は時間があってもお金を使うことが困難です。

つまり、プレミアムフライデーを充実のあるものにできる人は経済的に裕福な人であることを求められます。これだけを見ると、プレミアムフライデーはかなり上級の日本国民のみが過ごすことのできる時間のように思えてしまいます。私は残念なことにそこには属していないようです。

 

国民の多くが享受することのできないプレミアムフライデーに需要はあるのでしょうか。ただ、人々に混乱を生むだけなのではないでしょうか。考えれば考えるほどプレミアムフライデーによる悪影響ばかりが頭に浮かんできます。

ダウンタウン松本人志氏が2月26日放送の「ワイドナショー」において、「金券でも配ったほうがいい」という旨の発言をしたそうです。

news.livedoor.com

 

少し極端な考え方のようにも思えますが、国民全体に等しくプレミアムを実感できるようにするという観点から見ると経産省よりも良い意見だと思います。

 

何にせよ、私はプレミアムフライデーはただの幻に過ぎないと思います。このようなキャンペーンはやるだけ無駄です。