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「男の優しさ」について

 

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上記画像引用元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170208-00128271-suumoj-life.view-000  

 

 こんにちは、私です。

 約ひと月ぶりの記事投稿です。本当はもっと記事を書きたいと思っているのですが...

 

 今回のテーマは「男の優しさ」です。「男の優しさ」というと、たいていの場合は恋愛コラムなどで女性の視点として書かれていることが多いです。そして、そこでは多くの場合、「男のこういう行動や言動は上辺だけの優しさだ」「本当の優しさとはこういうものだ」という風な言説が見られます。この言説において、上辺だけの優しさは「優しさ」ではないものとして扱われています。

 しかし、私は上辺だけであったとしても優しさには変わりないと考えています。この意見は、あくまでも男性である私の個人的な意見です。私の意見は男性の総意ではありません。このことは理解しておいていただきたいです。私のこの意見は、私の経験に基づくものです。それなので、万人に共感されるような意見ではないでしょう。それを踏まえてこの先を読み進めていただきたいと思っています。

 

 

「優しさ」とは何か

 前置きがごちゃごちゃしてしまいましたが、ここからは「男の優しさ」について考えていきます。しかし、「男の優しさ」を考える上でそもそも「優しさ」とは何かを考える必要があるのではないかと思いました。

 まず、優しさという単語を分析してみましょう。優しさとは、「優しい」という形容詞が派生して名詞の形になった単語です。正確には、形容詞「優しい」が接尾語「さ」によって体言化したものが優しさです。つまり、優しさという単語は形容詞「優しい」と接尾語「さ」が結合した単語であると言えます。ここで結合したもののうち、明らかに意味を持っているものは形容詞「優しい」です。それなので、優しさを考えるためには「優しい」の意味を調べる必要があります。

 優しいという単語の意味は多くあります。今回は「goo辞書」から単語の意味を引用します。

やさし・い【優しい】 の意味
出典:デジタル大辞泉
[形][文]やさ・し[シク]《動詞「痩 (や) す」の形容詞化で、5が原義》


1 姿・ようすなどが優美である。上品で美しい。「優しい顔かたち」「声が優しい」


2 他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである。「優しく慰める」「優しい言葉をかける」


3 性質がすなおでしとやかである。穏和で、好ましい感じである。「気だての優しい子」


4 悪い影響を与えない。刺激が少ない。「地球に優しい自動車」「肌に優しい化粧水」


5 身がやせ細るような思いである。ひけめを感じる。恥ずかしい。

「なにをして身のいたづらに老いぬらむ年のおもはむ事ぞ―・しき」〈古今・雑体〉


6 控え目に振る舞い、つつましやかである。
「繁樹は百八十に及びてこそさぶらふらめど、―・しく申すなり」〈大鏡・序〉


7 殊勝である。けなげである。りっぱである。
「あな―・し、いかなる人にてましませば、味方の御勢は皆落ち候ふに」〈平家・七〉


[派生]やさしげ[形動]やさしさ[名]やさしみ[名]

やさしい【優しい】の意味 - goo国語辞書

 

 優しいという単語には、上記引用のような意味があるようです。様々ありますが、現在、世間に浸透しているであろう「優しい」の意味に最も近いものは、2つ目の「他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである。」だと思います。また、3つ目の「性質がすなおでしとやかである。穏和で、好ましい感じである。」や4つ目の「悪い影響を与えない。刺激が少ない。」も現在の「優しい」の意味に含まれていると考えられます。何故、このように考えるのかはこの先でじっくりと書いていきましょう。

 

「上辺だけの優しさ」の「優しさ」の意味

 ここまでで「優しさ」という言葉を分析し、「優しい」という単語の意味を見てきました。前述の単語の意味を踏まえて「男の優しさ」とは何かを考えていきましょう。ここでは、「男の優しさ」として語られるものの中で「上辺だけの優しさ」と呼ばれるものについて考えていきます。

 「上辺だけの優しさ」と表現される優しさの多くは否定的に扱われている「優しさ」です。たいていの恋愛コラムでは「本当の優しさではない」「そんなことは誰にでもできる」「そんな優しさは求めていない」「むしろ優しくない」などと言われています。要するに、「上辺だけの優しさ」と称される優しさは女性からボロクソに言われています。以下に「上辺だけの優しさ」が否定的に扱われている記事を載せておきます。どんな風に語られているのか見てみたいと思う方は読んでみてください。

www.excite.co.jp

josei-bigaku.jp

laurier.press

 こんな感じに、「男の優しさ」をテーマに書かれている記事やコラムは山のようにあります。ここに載せているものはほんの一部、まさに氷山の一角といったところです。もっと見てみたいと思った方はインターネットで「男 優しさ」と検索してみることをオススメします。

 これらの記事に共通していることは、女性の視点から見た「男の優しさ」が語られていることです。はじめにも述べていますが、「男の優しさ」は女性の判断によって上辺だけのものなのか本当のものなのかが決められています。言い換えると、「男の優しさ」の真偽は女性によって判別されているということです。さらに、この女性によって行われる判別では「男の優しさ」の真偽だけではなく、その優しさの善し悪しまでも判別されています。優しさの善し悪しは優しさの真偽に対応していることが多いように思います。具体的には、「上辺だけの優しさ」のような偽とされている優しさは悪、上辺だけではない真の優しさは善といったような判別が行われていると思います。

 つまり、「上辺だけの優しさ」とは、女性が「男の優しさ」を語るにおいて偽の優しさとして否定的に扱われる優しさのことです。このように、否定的に扱われている「上辺だけの優しさ」ですが、具体的にはどのような優しさなのでしょうか。以下の記事を見ていただけると女性がどのような優しさを「上辺だけの優しさ」と捉えているのかが分かると思います。

smartlog.jp

magazine.campus-web.jp

 上の2つのうち下の記事のリンクは文字化けしてしまっていますが、ちゃんとリンク先に飛ぶことができます。この2つの記事に共通していることは「優しい男がモテない」ということです。正確には、「女性は男のこういう優しさを求めている」ということがどちらの記事にも書いてあります。

 女性から見て本当の優しさではないと判断されてしまう「男の優しさ」を以下に箇条書きでまとめてみましょう。

  • 誰に対しても優しい
  • 何でも了承してくれるが、本心が見えてこない
  • バレバレのお世辞を言う

 すべてを網羅できているわけではありませんが、「上辺だけの優しさ」として挙げられるものの多くにこれらは入っています。ここで挙げた優しさは先の「優しさ」とは何かで述べた「優しい」という単語の意味の3つ目と4つ目に当てはまります。3つ目は「性質がすなおでしとやかである。穏和で、好ましい感じである。」で、4つ目は「悪い影響を与えない。刺激が少ない。」です。これだけではなく6つ目の「控え目に振る舞い、つつましやかである。」にも当てはまると考えることができるかもしれません。

 「誰に対しても優しい」ことは決して悪いことではないと思います。誰にでも優しくできることを本当の優しさではないと言う女性も悪いことであるとは考えていないでしょう。「誰に対しても優しい」の優しさは、性質がすなおでしとやかという意味の優しさであると思います。しかし、女性は「誰に対しても優しい」を「私以外にも同じように優しい」と言い換えてしまいます。確かにその通りではあるのですが、何とも都合のいい言い換えであるように感じてしまいます。

 「何でも了承してくれるが、本心が見えてこない」ことの優しさには、控えめに振る舞い、つつましやかであろうとする優しさがあると思います。本心が見えてこないことを良くないことであると考えている女性ですが、反対に、我が強すぎて本心をむき出しにされるのはそれはそれでよくないと思っているのではないかと考えます。男性である私ですら、本心むき出しの人は遠慮したいですね。何でも了承し本心を見せないのは相手を思って控えめに振る舞っている結果ともいえるでしょう。

 「バレバレのお世辞を言う」ことの優しさは、悪い影響を与えないようにしようと努力した結果、悪い影響を与えてしまったという空回りであるように思います。よく言われている一般論ですが、女性は変化や機微を察してほしいと思っているとされています。この一般論にどれほどの信憑性があるのかは定かではありませんが、バレバレのお世辞を言って空回りをしてしまう男性は、女性の察してほしいという心理を満たすために、女性の変化や機微に気付いているということをどうにかして伝えようとしています。その結果、バレバレで薄っぺらいお世辞を言って失敗してしまうという訳です。

 女性はこれらのようなことを引き合いに出して「上辺だけの優しさ」を否定的に扱っているのです。

 

女性が求める「男の優しさ」とは何か

 「上辺だけの優しさ」の「優しさ」の意味では、女性が考える偽の「男の優しさ」について書いてきました。ここでは、そうした偽の優しさに対して存在する真の優しさとでも言える「男の優しさ」とはどういったものなのかを考えていきます。

 上記で載せている記事の中で女性が求める「男の優しさ」についての記述が見られたので、それらを参考にして女性が求める「男の優しさ」を箇条書きでまとめてみます。

 

  • 私一人に対して特別優しくしてくれる(優先してくれる)
  • 自分の意見(本心)をきちんと言ってくれる
  • 私のことを本気で褒めてくれる

 

 先に箇条書きで示した女性から見て本当の優しさではないと判断されてしまう「男の優しさ」と対照的になるように書いてみました。ここで挙げた優しさを先の「優しさ」とは何かで述べた「優しい」という単語の意味に当てはめると、すべてが2つ目の「他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである。」に当てはまってしまうのでしょう。

 女性が求める「男の優しさ」に共通していることは「私」が中心に君臨していることです。また、「私」が特別なものとして他のものとは一線画した存在として扱われていることも共通しています。これらを踏まえて考えると、女性が求める「男の優しさ」において「優しい」の2つ目の意味は他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである。」ではなく、「『私』に対して思いやりがあり、情がこまやかである。」と訂正するのが適切でしょう。このような優しさに合致していない「男の優しさ」を発揮している男性はモテないとされてしまっているのが現状です。

 

男性による「上辺だけの優しさ」は悪なのか

 ここまで、「優しい」という単語の意味を分析し、女性が考える偽の「男の優しさ」と真の「男の優しさ」を見てきました。ここまでの内容だけを見ると、女性にモテるためには本当の「男の優しさ」が必要であるということを言っているだけに見えてしまいかねません。しかし、今回私が書きたかったのはそんなことではありません。はじめにも述べていますが、私は女性から偽の優しさと扱われているとしても「上辺だけの優しさ」は必要であると考えています。このように考える理由を、「上辺だけの優しさ」として挙げられている3つの「男の優しさ」を必要と考える理由を私の実体験を交えながら書いていきます。

 今回、私が実体験として挙げるのは私のアルバイト先での出来事です。私は某チェーンカフェで1年以上アルバイトをしています。アルバイト先には同年代のバイト仲間や主婦のパートさんがいます。時給はかなり低いですが、週に3回以上はカフェでアルバイトをしています。アルバイト先の人間関係は良好で同年代のバイトもパートさんも仲が良いです。ただ、アルバイト先の男女比に少し偏りがあります。その男女比は、男性5人対女性9人です。さらに、男性5人のうち、1人は別のアルバイトをメインにしているためカフェにはあまり来ない(シフトに入れていない)人で、別の1人は最近カフェでアルバイトを始めたばかりの新人さんで土日のみ(毎週ではない)シフトに入っている人です。以上のことを踏まえると、実質のところは男性3人対女性9人となります。ここで述べている女性にはパートさんも含まれているので女性の割合が多くなることはある程度仕方のないことかもしれません。しかし、実際に女性が多い場所に男性である自分が業務をこなすのは非常に大変です。何がどのように大変なのかはアルバイト先での実体験で書きます。

 それでは、「上辺だけの優しさ」を必要と考える理由に話を戻しましょう。私のアルバイト先の女性の割合が高いことは分かっていただけていると思います。女性の割合が高いということは、シフトに入る人も女性が多くなります。極端な場合、その日は女性しかシフトに入っていないという日もあります。女性しか入っていない日は男性である私はシフトに入っていないため何ら問題はありません(たとえ悪評を流されていたとしても私の耳には届きません)。しかし、その日のシフトに入っている男性は私だけという日は正直とてもキツイです。考えてみてください。自分以外が全員女性という状況で円滑に業務を進めなければならないのです。実際にやってみるとなかなか大変です。何が大変かというと業務中は常に「アウェー感」を感じることになります。それだけではなく、同じ時間帯にシフトに入っている女性たちに非常に気を遣います。もちろん、一番はお客様なのですが、お客様を気にしながら一緒に働く女性たちにも気配りをしなければいけません。女性の中でも同年代のバイトの後輩の女性には特に気を遣います。パートさんや先輩の女性にも気を遣いますが、ここでは「先輩に対する気遣い」や「年長者に対する気遣い」といった気を遣うための申し分ない理由が含まれるので気を遣うにしてもやりやすいです。「年長者に対する気遣い」という点に注目すれば、年上で後輩の女性への気遣いもまだやりやすいです。

 しかし、同年代のバイトの後輩の女性、特に年下の場合は気を遣いすぎても変になってしまうため、相手との距離感や自身の立ち位置を状況に応じて適切に設定することが非常に難しいです。それだけではなく、相手に対して何かを言うときには、言葉を選び、優しい口調・トーンにするようにしています。他にはジェスチャーを交えたりすることもありますね。これらのことを行う理由は、相手に悪い印象を与えないためです。例えば、勤務中に私が後輩の女性に対して「○○はこうしなければならない」と教えたいというシチュエーションがあるとしましょう。この場面において、私が相手に悪い印象を与えずに要件を伝えるためにはどのような伝え方をすればいいのでしょうか。皆さんが私の立場になった場合はどのような伝え方をしますか。実際に考えてみると、どのように伝えればいいのかを考えるのは困難です。今回はアルバイトとして勤務しているというシチュエーションまでついています。表現が大げさになってしまいますが、現場にいるときは即時に教えて理解してもらうのが最も効果的です。つまり、先に挙げた条件を達成した上で、最も効果的に要件を伝えるためにはどのように伝えればよいのかを即時に判断する必要があります。このように幾重にも条件がある中で瞬時に最適解を見つけ出すことは、そういった条件で最適解を出すことに慣れていたり、事前に答えを用意していたりしないと不可能です。

 それでは、どうやって考えればいいのでしょうか。ここで私が問うているのは「私が相手に悪い印象を与えずに要件を伝えるためにはどのような伝え方をすればいいのか」ということです。この問いを考える上で一番の壁になっているのは「相手に悪い印象を与えないようにする」ということでしょう。要件を伝えることに関してはそれほど困難なことではありません。単に要件を伝えるだけならいくらでもやり方はあります。「○○しなさい」と命令口調で伝えることもできますし、相手の返答を聞こうとするそぶりを見せずに言い捨てることもできます。絶対にNGですが、怒気を含んだ口調で相手に厳しく伝えることもできます。

 しかし、このような伝え方をしてしまうと後輩の女性からは「あの先輩ちょっとウザい」「そんな言い方しなくてもいいのに」などと思われてしまいます。考えすぎではないかと考える人もいるでしょうが、そんなことはありません。先に私のアルバイト先の男性は5人いることは書いていると思います。その5人のうち、別のアルバイトをメインにしていてシフトにあまり入れていない人がいると書いていたと思います。その人(以下Aさん)は私の先輩です。接客態度や業務のスピードは申し分ないどころか、要求水準以上のものであると私は思っています。そんなAさんですが、実はアルバイト先の女性たちからの評判はかなり悪いものとなっています。パートさんがAさんを悪く言う場面に出くわすことは少ないですが、同年代のバイトの女性、特に後輩の女性がAさんのことを悪く言う場面に出くわすことは多々あります。出くわすどころか後輩の女性から直接Aさんの悪口を聞くことも少なくありません。どうしてAさんはアルバイト先の女性陣に悪い印象を抱かれているのでしょうか。その理由は要件の伝え方や口調にトゲを感じるからではないかと私は思います。

 Aさんは、私が新人だった頃に業務のことを教えてくれました。色々なことを教えてもらいましたが、その中にはダメ出しのようなものもありました。私はAさんからダメ出しを受けたときに「もう少し温和な言い方でもいいのでは」と思いました。しかし、ダメ出しの内容は的確で理にかなっていたので、私のAさんに対する印象は悪いものではなく感謝や尊敬を伴ったいいものでした。また、Aさんはしばしば業務を人に任せることがありました。私もAさんに業務を任されたことがあります。私はAさんに仕事を任されたときに手が空いていたのと、新人の頃にお世話になった分返せるところで恩を返しておきたいと思ったため、快く業務を引き受けました。ただ、Aさんは私に「○○やっといて」と素っ気なく言って業務を任せたため、傍から見れば仕事を押し付けているように見える感じでした。Aさんの心情を察するに「君、今暇そうだね。何もすることがないなら手伝ってもらいたい」という意味で「○○やっといて」と言っているのでしょう。

 Aさんのこうした言い方や態度は私だけでなく、男女問わず行われていました。特に、同年代の後輩のアルバイトや後輩のパートさんには比較的厳しく接しているように見えました。その結果、Aさんの印象はどんどん悪くなっていきました。さらに、Aさんの悪い印象は女性同士のおしゃべりによってアルバイト先の女性に拡散していきました。そして、その拡散の余波は男性陣の耳に届くまでになりました。Aさん本人は恐らくアルバイト先の女性陣に嫌われていることは知らないのではないかと思います。後輩の女性に「Aさんホントに嫌いです。早く辞めればいいのに」という愚痴を聞かされた時はコメントに詰まりました。

 私はAさんにお世話になったことへの感謝や尊敬の気持ちがあるので、Aさんのことが悪く言われている状況は気持ちのいいものとは言えませんでした。しかし、この場面で私が「Aさんのこと悪く言うなよ」と語気を強めて言ってしまうとどうなるでしょうか。恐らく、私もAさんと同じようにアルバイト先で嫌悪の対象とされてしまうでしょう。何故、嫌悪の対象にされてしまうかというと、私がAさんの肩を持つような発言をしてしまっているからです。後輩の女性が私に「Aさんホントに嫌いです。早く辞めればいいのに」と言ったすぐ後に、「○○さんも□□さんもAさん辞めたらいいのにって言ってましたよ」とご丁寧に補足情報を提示してくれました。後輩の女性のこの発言により、Aさんがアルバイト先の女性の共通の嫌悪の対象であることが分かってしまいました。私は後輩の女性に「へぇー、○○さんって普段そういうこと言わないのに意外だね」と言ったあとに、「Aさんをそういう風に思う(嫌う)気持ちは分からなくはないけど、僕はこの話聞いちゃっても良かったの?」と茶化して何とかAさんの悪口トークを終わらせることができました。ここで私が「気持ちは分かるけど」ではなく「気持ちは分からなくはないけど」と回りくどく言ったのは、後輩の女性の意見に明確な肯定の意思表示をするのではなく、「分からなくはない」と言うことでぼかし気味の肯定の立場を取りたかったからです。その上で、私にとって気持ちのいいものではないAさんの悪口トークを自然な形で終わらせることを目的としたためこのような回りくどい言い方をしました。「気持ちは分からなくはないけど」ということで相手への同調を示しておかないと、私が嫌悪の対象にされかねませんからね。

 実のところ、私はAさんがアルバイト先の女性陣に嫌われているのではないか、嫌われているとまではいかなくてもよい印象を抱かれてはいないのではないかと勘繰っていました。後輩の女性の発言で私の勘繰りが的中していたことが分かってしまいました。私はAさんが女性陣に嫌われているのかを勘繰るよりも前から、誰にでも優しく接することと、業務に関する要求は基本的に了承することを心掛けてきました。後者は新人の頃から実施していました。前者も新人の頃から実施していましたが、後輩ができてからは特に気をつけるようになりました。これらを実施していると自然とアルバイト先での株があがりました。モテるなどということはこれまで一度もありませんでしたが、「いい人」という認識はされ続けています。

 私は「いい人」として扱われ、Aさんは嫌悪対象として扱われています。私とAさんは明らかに対比しています。言うならば、私とAさんの印象の善悪は反比例しています。Aさんの印象が悪くなればなるほど、私の印象は相対的に善くなっていったような感じすらあります。

 長々と書きましたが、Aさんのように「上辺だけの優しさ」を見せることができないと女性の印象がガタッと落ちてしまうことが分かっていただけたのではないかと思います。しかし、先述の通り女性にとって男性の「上辺だけの優しさ」は偽の優しさです。私はこの偽の優しさを使ってアルバイト先で「いい人」の座を手に入れています。ただ、悲しいことに私はアルバイト先の女性から「オトコ」として認識されていないのではないかと思うことが多々あります。具体的には、私よりも10歳以上年上のパートさんに「お兄ちゃんみたい」と言われたり、同年代で年上の先輩の女性に「女子会に混ざってても違和感なさそう」というニュアンスの発言をされたり、年下の後輩の女性に「お父さんっぽい」と言われたりしています。嫌われてしまうことを思えばマシなのですが、モテないどころかそもそも異性として認識されないのはすこし辛いです。それでも、アルバイト先での人間関係に無駄な軋轢を生んで私が不利な状況になることを避けるためには、異性としての認識をかなぐり捨てて「上辺だけの優しさ」を使う必要がありました。この「上辺だけの優しさ」を示すことができないと、モテるモテない以前に女性から嫌われてしまうという悲惨な結末になってしまいます。

 

最後に

 ここまで「男の優しさ」について書いてきましたが、男性である私から女性に対して一つだけ言わせていただきたいことがあります。

 

「男性は女性に対する『優しさ』で苦心していることもあるんですよ」

 

 女性には女性の事情や願望があることは重々承知しています。それでも、たまには男性の苦心にも目を向けてもらえると助かります。

 

 長々と書いてすみませんでした。ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。